CDプレスの音源データ入稿について

CDプレス音源入稿

 

レコーディングを終えマスタリングも完成して、後は音源を入稿するだけ!…という所で意外に手こずってしまう事もある音源データの入稿方法。技術に長けたレコーディングエンジニアの方ならなんてことありませんが、ご自身で録音している場合や知り合いの範囲で制作などをしていると問題に直面する事が多々あります。今回はそんな音源入稿の様式について簡単にまとめてみました。

 

【1】一番理想的な「DDP」でのご入稿

音源の入稿で一番理想的な方法は「DDP」入稿となり、弊社もこれを推奨しております。なぜなら、コチラの記事でも書いておりますが「仕上がりがマスタリング時のオリジナルデータに近い」「データの保存性が良い」という点に加えて、オンライン上で劣化させずにデータを送付できることが利点です。CD-Rマスターでは「お客様から弊社へ郵送」「弊社から工場へ郵送」という2工程が発生し、それにともない時間とコストがかかってきますが、オンラインで直接ご入稿いただく事ですぐに工場へデータを送る事ができるため、DDP入稿はCD-Rマスター入稿と比較して「郵送にかかるコスト」「日数の削減」もできる大きなメリットがあります。

●DDPとは何か

「CD」と同様に「DDP」というメディアがあると勘違いされる方もいるかもしれませんが、DDPはデータファイル形式のCDプレス用マスターの納品フォーマットになります。ですのでCDに焼く事も出来ますし、USBやメモリカードに入れる事も出来ます。現時点のCDプレスでの音源入稿形式で最もポピュラーなものといえるかと思います。馴染みのあるWav、AIFF、MP3などの音源データとは異なり、1つのファイル内にいくつものデータが入ったファイルセットになります。

●DDPデータを作成するには

DDP マスターの作成は、それに対応しているライティングソフトを使用する必要があります。更にはDDPマスターを作成するにはある程度の専門知識が必要となりますので、レコーディングスタジオ、オーサリングスタジオでの作成をお勧めいたします。DDPでの入稿が難しいという場合は次のCD-Rマスター入稿をご覧下さい。

●DDPデータのご入稿方法

DDPデータは非常に容量が大きくなりますので、直接メールに添付して送るという事はせずにオンラインデータ送付サイトなどを利用してお送りいただく形になります。サイトによって送付できるデータ容量が変わってきますので、データにあわせて適切なサイトからお送り下さい。

firestorage|容量1ファイル2GBまで
Giga File便|容量1ファイル75GBまで
BitSend|容量無制限

【2】CD-Rマスターでのご入稿

DDP入稿が主流になる前は、CD-Rマスターでの入稿が一般的でした。CD-Rマスターで入稿いただく場合、まず弊社への郵送、そして弊社から工場への郵送、という手順を踏むためコスト(送料)と時間がDDPに比べてかかってしまいます。しかしDDPと比べてそこまで専門的な知識は必要ないため個人で音源を作成されている場合などには向いているといえます。

●必ずディスクアットワンスで書き込む

CD-Rマスターはライティングソフトを使用して作成いただき、必ずライティングソフトの書き込みを「ディスクアットワンス」に設定して下さい。ディスクアットワンスはディスクに一度にまとめてデータを書き込む方式で、後からデータを追記することは出来ません。「トラックアットワンス」や「セッションアットワンス」は容量の範囲内で後からもデータを追記できてしまうため、CD-Rマスターを作る際にはかならず「ディスクアットワンス」に設定する必要があります。

●必ずCD-DA(音楽CD)フォーマットで作成する

通常MP3やWAV、AIFFなどの形式はパソコンや専用の機器に対応したものですので、それらのデータをそのままCD-Rに焼いただけではオーディオプレイヤーに入れても再生することができません。オーディオプレイヤーでも再生できるようにする為にはCD-DA(音楽CD)フォーマットで作成していただく必要があります。

●マスター1枚とサブマスター1枚、計2枚をお送り下さい

CD-Rマスターでの入稿の際はマスターとサブマスターの計2枚をご入稿下さい。万が一マスターデータに不備があった場合、納期の遅延を最小限に
抑える為にサブマスターが必要となってきます。そして必ず「品番」や「タイトル」などをマジックなどで記載してください。

●CD-Rマスターのご入稿方法

CD-Rマスター音源を郵送でお送りいただく場合はマスター1枚とサブマスター1枚、計2枚を以下住所までお送り下さい。※送料についてはお客様のご負担となりますのでご了承下さい。

郵送先住所: 〒365-0054 鴻巣市大間774-1 エクストリーム・ラボ 宛

電話番号:048-577-4424

以上、簡単ではありますがDDP&CD-Rマスター入稿について注意すべき点をまとめてみました。CDジャケットデザインとCDプレスのご相談はエクストリーム・ラボまでお気軽にお問い合わせ下さい。

紙ジャケットのCDプレスで注意すべき5つの事

E式とA式_比較

 

紙ジャケットのCDプレスを依頼する前に抑えておきたいポイントとは?

CDの定番であったジュエルケース(Pケース)に変わって、紙ジャケットの需要が大変伸びています。大きな理由として価格がジュエルケースよりも安くなった事があるかと思います。エクストリーム・ラボで取扱っているジュエルケースのCDプレスと紙ジャケットを比較した場合、

 

300枚CDプレス

枚数ジュエルケース4P紙ジャケット4パネル
300¥93,200(税抜)¥88,500(税抜)

 

500枚CDプレス

枚数ジュエルケース4P紙ジャケット4パネル
500¥105,300(税抜)¥92,400(税抜)

 

1000枚CDプレス

枚数ジュエルケース4P紙ジャケット4パネル
1000¥123,300(税抜)¥117,300(税抜)

 

というように、紙ジャケットの方が安価でご提供できるようになりました。安価という理由以外にも、今までは店頭販売がメインだったため背の厚みがあるジュエルケースの方が棚に入れた時に探しやすいという理由で好まれておりましたが、今やAmazonを始めとするオンラインでCDを購入出来る時代なので背の厚みは気にせず、その分紙自体のアナログでオリジナリティの高い質感を求めるお客様が増えたからだと実感しております。需要が増えている紙ジャケットですが、CDプレスの際にぜひ注意していただきたいポイントがいくつかありますので参考までにご覧下さい。

 

【POINT.1】紙ジャケットは2種類ある

「A式」と「E式」がある

以外と知られていませんが紙ジャケットには大きく分けて2種類あります。「A式」と「E式」です。「A式(America)」はアメリカ式を意味し、「E式(Europe)」はヨーロッパ式を意味しています。日本の店頭でよく見かけ、一般的に普及している紙ジャケットはE式となります。普通の人はがこの両方を見比べてどこに違いがあるのか判断するのは難しいかもしれませんが、何度かCDを作ったことのある人やジャケットにこだわりを持った人は見ただけでその違いが分かるかもしれません。この2つは大きく「製造方法」「中面」「価格」が異なってきます。

 

E式とA式_比較

(上)E式  (下)A式

製造方法が違う

この2つがどう違うかというとまず製造方法に違いがあります。A式はボール紙製の芯材でジャケット本体を組み上げたあと薄い印刷紙を貼付するような製造方法です。「E式」は紙ジャケット本体の紙自体に印刷をし組み上げられたものとなります。製造方法の違いはお客様からしてみたらあまり気にする事でもないかもしれませんが、「A式」と「E式」ではその仕上がりが大きく変わってきます。E式に比べてA式はボール紙製の芯材を使用しているため非常に紙が厚いです。ではE式の紙厚が薄いのかといえばそんなことはなく、PP加工なども出来るため充分な紙厚と耐久性を持っております。

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A式拡大図

中面が違う

これは製造方法が異なる事によって生じる事ですが、E式とA式では中面が大きく異なります。本体に印刷して組み上げるE式と違い、A式は左右にまたがる印刷紙を張り合わせて製造するため、見開いたときに左ページと右ページの間に継目が発生する事がありません。ですので見開きで大きなイラストや写真を扱う場合などはA式は非常に効果的に魅せる事ができます。

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A式の中面継目

価格が違う

「A式」と「E式」の詳しい説明については「紙ジャケットE式とA式の違いとは?」に書かれておりますが、この2つを比較する上で一番大きなポイントとしては『価格』が異なる点にあります。製造工程の複雑な「A式」はE式と比較してコストが上がってきます。同じ紙ジャケット4パネル・500枚の仕様でもE式が92,400円(税抜)に対してA式は178,400円(税抜)と倍近い金額になってしまいます。

 

【POINT.2】内容に適したサイズを決めよう

紙ジャケット本体のページ数について○○ページ、など「ページ」で表記する業者もありますが、歌詞カードのページ数と混在して分かりづらいためエクストリーム・ラボでは2パネル、4パネル、6パネルなど「パネル」で紙ジャケットのページ数を表記しております。2パネルについては表紙と裏表紙のみのシンプルな仕様なので主にシングルCDや配布用のCDでは2パネルを選択する方が多いです。一般的なアルバムなどでは4パネルや6パネルを選ばれる事が多く、2枚組・3枚組・4枚組など複数のCDを封入する場合は6パネル、8パネルが選択されます。本体のページ数については、ジャケットデザインによってや本体に記載する文字量などによって適切なものを選択しましょう。

エクストリーム・ラボは上記の仕様の中にいくつもの異なるサイズのテンプレートを用意しています。2パネルは3種類、4パネル(E式)は9種類、6パネル(E式)は3種類、8パネル(E式)は3種類、とご用意し、縦横の大きさの違いはもちろん背の厚さがそれぞれ異なります。サイズについてはジャケットデザインのイメージに沿ってご希望のものをお選び下さい。

2パネル

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4パネル

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6パネル

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8パネル

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【POINT.3】『ポケット』の位置・入れ口・切込みは要確認!

紙ジャケットにCDや歌詞カードを封入する「ポケット」ですが、実はこのポケットにも色々種類があります。例えば4パネルの場合、見開いた状態の左右どちらかにCDを入れる訳ですが、左右のどちらにポケットがあるのか?外側から入れるのか?内側から入れるのか?ポケット部分に切込みはあるのか?などいくつかの選択肢があります。これはテンプレートによってそれぞれ異なるので予め確認をする必要があります。CDプレスが終わってから「外側からCDを封入するつもりだったけど、内側からだった」などということにならないようにしましょう。

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【POINT.4】『紙質』によってCDジャケットの印象が驚く程変わる!

 

紙ジャケットのCDプレスでは本体の紙質を、コート紙(グロスニス)、グロスPP、マットPP、リバースボード、クラフト紙(有料)の中から選ぶ事ができます。それぞれ異なる特徴を持っていますので、ジャケットデザインにマッチした紙質をセレクトする事でよりCDとしての存在感が増して印象深いものとなります。紙についての説明は「紙について」のページに詳しく記載しております。

 

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●コート紙(グロスニス)

表面にPP加工をしていない一般的な紙質で、光にあてると反射しますがグロスPPほどの強い光沢はありません

 

コート紙(グロスニス)

●マットPP

紙の上にPP加工されていますが、グロスPPとは違い反射がほとんどなくシットリとした滑らかな質感です。

 

マットPP

●リバースボード

ザラッとした生成りな手触りで紙の表面に僅かな凹凸があり、光沢はほとんどありません。

 

リバースボード

●クラフト紙(有料)

ダウンボールのような素材で風合いがあります。紙自体が茶色なのでそれを計算した上でザインを作成する必要があります。

クラフト紙

【POINT.5】紙ジャケットには様々な『オプション』がある!

紙ジャケットには様々なオプションがあります。歌詞カードやライナーノーツを入れたい場合は「投げ込み印刷」。その投げ込み印刷の「紙質変更」。そしてお客様自身がジャケットをデザイン・印刷してご用意された場合は、それを弊社にお送りいただき「封入作業」を行う事も出来ます。その他、帯や不織布、スリーヴケースなどに加え、箔押しやエンボスなどの「特殊加工」などもお選び頂く事が可能です。

 

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スリーヴケース

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型抜き

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箔押し

オプション料金(税抜価格)

本体・紙質変更投げ込み印刷投げ込み印刷・紙質変更封入作業(お客様提供アイテム)追加品(帯・不織布・スリーブケースなど)特殊加工分納

まとめ

以上、「紙ジャケットのCDプレスで注意すべき5つの事」いかがでしたか?一言に紙ジャケットといっても、実は色々な選択項目があることがお分かり頂けたのではないでしょうか。そしてこれらを知らずにご注文されてしまうと、仕上がったときにイメージと違ったということになりかねません。CDジャケットデザインを活かし、よりよいCDプレスを実現するためにも是非ご自身のイメージにあった適切なご選択をしてください。

 

 CDジャケットデザイン・CDプレス|エクストリーム・ラボ

【Pushead/パスヘッド】St. Anger/Metallica

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Pushead(パスヘッド)制作「[St. Anger」。

パンクやメタル、ハードコアなどのシーンでは必ずどこかで見たことがあるはずのイラスト。今回のMetallica(メタリカ)の様な大御所から、全く名前も知らないようなバンドまで幅広く手がけています。

彼の作品は髑髏が代名詞といっても過言でないくらいよく登場するアイコンなので、この「St. Anger」のアルバムジャケットを最初見たときは一目でPushead(パスヘッド)と分かりませんでした。
けど裏返してみたらPushead節が炸裂していました(笑)。

今作は一目見たときのインパクトもあるし、バンドのエネルギーもあふれ出さんばかりの力作だと思います。
いわゆるローブロー・アートに括られるであろうアーティストですが、その世界ではもはやメタリカ位の大御所じゃないでしょうか。

そんな彼らが表ジャケットでバンド名もアルバム名も載せずに世の中に発信する姿勢には見習うべきものがあります。