【Mick Rock/ミック・ロック】Raw Power/Iggy and The Stooges

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Mick Rock(ミック・ロック)制作「Raw Power」。

Mick Rock(ミック・ロック)はヒプノシスやキーフ、ロジャーディーンなどと並んで70年代を象徴するクリエイターで、ルー・リードやデヴィッド・ボウイ、そしてこのイギー・ポップなどを作品を手がけたフォトグラファーです。

いわゆるありきたりのアーティスト・ポートレートとは違う、その音楽性や哲学までも浮き彫りにするかのような写真です。
イギー・ポップといえば裸でガラス破片の上を転げまわったり等のパンクなアーティストですが、そんな彼の一瞬をとらえた写真です。

写し出されているのは、汗まみれ時には血まみれで暴れまわる彼の姿ではなく、ステージ上で怪しいライトに照らされた男の肖像。
注ぐその眼差しは純粋無垢のようであり狂気を秘めた様でもあります。

私は優れたCDジャケットは写真一枚カッコいいのを載せておけば他に余計なデザイン処理なんていらないと思っているのですが、そんな風に思わせてくれる数少ないジャケットです。

駆け出しの頃Mick Rock(ミック・ロック)はヒプノシスから貰ったカメラで撮影し、その最初の被写体がシド・バレットだったといいます。後に歴史に残る才能あふれるアーティストが一つの場所に集結しており、それぞれサクセスしていく様はさながらトキワ壮のようです。

【Frank Kozik/フランク・コジック】HOUDINI/MELVINS

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Frank Kozik(フランク・コジック)制作「HOUDINI」。

厳密にはイラストがFrank Kozik(フランク・コジック)でデザインはValerie Wagnerという人のようですが、イラスト+アートディレクションも担っているようなのでこう表記しました。

一目見て「なんて可愛いCDジャケットなんだろう」という印象を受けますが、よくよく見ると・・・。
ニルヴァーナなどにも多大な影響を与えたこのMELVINS。ひたすら重苦しいヘヴィストーナー。見た目も一癖も二癖もある彼ら。
そんなサウンドに相反したCDジャケットに描かれた少年少女が笑顔で見つめる子犬や、黒字に赤文字で記されたアルバムタイトル・バンド名の違和感がなんとも不思議にマッチした作品です。

Frank Kozik(フランク・コジック)はスペイン出身のアーティストですが、その後アメリカに移住しアーティスト活動をしています。シルクスクリーンムーブメントの中心といっても過言ではないくらい彼の作品はある意味「アメリカ」の象徴といえます。

毒々しい色使い。前述の子犬しかり、平和で穏やかな雰囲気の中に突如として異形のアイコンがあたりまえのように存在しています。
その作品が放つエネルギーはメッセージ的でもあり、世の中をおちょくっているようにもとれます。Frank Kozik(フランク・コジック)自身も間違いなくRock n’ Rollスピリットを持った人物なのだと感じます。

バンドの話に戻りますが、MELVINSもまたアメリカを象徴するバンド。最近は同じくアメリカを象徴する変な人Mike Patton(マイクパットン)のレーベルからリリースしているので要注目です。

【M/M(Paris)/エムエム・パリス】Vespertine/Bjork

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M/M(Paris)(エムエム・パリス)制作「Vespertine」。

ミカエルとマティアスからなるこのエムエム。
フランスのデザインユニットということで、アメリカやイギリスとはまた雰囲気をもっています。

日本のミュージシャンのCDジャケットも「Vespertine」以降、同じように写真の上にイラストを描いたデザインが流行りましたが、この作品のように洗練されたものはなかなか見当たりません。

CDケースの裏面はまっ白なプラスティックにステッカーのみ貼ってあり、全編白と黒で作られたこのCDジャケットはBjorkの歌声とマッチしてなんとも繊細なようで力強い印象を受けます。

写真はInez van Lamsweerde and Vinoodh Matadinというオランダのカメラマンデュオによるもの。ドレスはmarjan pejoski。

PVで日本人の石岡瑛子を起用したり、前述もしたニックナイト然り、表現に対しては国も年代も性別も超越してコラボできるBjorkはやはり凄い!!

【Peter Saville/ピーター・サヴィル】THE LOUNGE LIZARDS/THE LOUNGE LIZARDS

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Peter Saville(ピーター・サヴィル)制作「THE LOUNGE LIZARDS」。

アート・リンゼイ、ジョン・ルーリーなどで編成されたこのバンド。パンクやニューウェイヴの香りをまとったなんとも奇妙なジャズバンド。スタイリッシュでクール、涼しい顔でヘンテコな事をやってのけるこのバンドに対して、アルバムジャケットがピッタリとイメージを引き立てております。

バンドの写真を撮るとき構図が重要になってくるのですが、それが3人編成か4人編成かなどによっても変わってきます。
5人っていうのはなかなか難しいと痛感したことがあったのですが、このジャケットではバッチリいい感じに収まっていて「スバラシイ!!」と驚嘆したものでした。

モノクロの写真に主張しすぎないタイポ。
オレンジのライン。
ごくシンプルなジャケットが何十年という年月を経ても色あせることなく、カッコいいジャケットとして在り続けています。

このPeter Saville(ピーター・サヴィル)。
いわずとしれたFactory Rrecord(ファクトリー・レコード)のデザインを手がけるなどしたUKを代表するクリエイターです。
他にはPulp(パルプ)やNew Order(ニュー・オーダー)、Joy Division(ジョイ・ディヴィジョン)などを手がけ、一貫して洗練された作品を世に放っています。

余計なものをそぎ落とした先に残ったもの。
作品を奥深くまで突き詰めて見えたもの。
そんな彼の数々の作品は、今現在も多くのデザイナーを刺激しています。