【Roger Dean/ロジャー・ディーン】危機(Close To The EDGE)/Yes

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Roger Dean(ロジャー・ディーン)制作「危機(Close To The EDGE)」。

満を持して登場。
ヒプノシス、キーフと並ぶ60、70年代を席巻した巨匠です。
彼の作風といえば、幻想的でファンタジックな惑星なイラストが多い中で黒と緑のグラデーションというこのアルバムはRoger Dean(ロジャー・ディーン)の作品の中でも異彩を放っていると思います。

プログレッシブロックは想像力をかきたてる音楽だと思いますが、ジャケットもしかり。この黒と緑のグラデーションのなかに様々な想像をさせてくれます。

インナーはどーんと見開きでいつものロジャーワールド前回のイラストが描かれ迫力満点。

ロジャー・ディーンはロゴ制作などもよくやっているのですが、のちのグラフィティアートにも通じるものがある気がします。
イラストもそうですが、ロゴも一目でロジャー・ディーンとわかるほど独自の世界観を世界中に浸透させたアーティストはなかなかいないのではないでしょうか。

そして特に、レコードサイズのジャケットだからこそ意味のあると感じさせてくれるアーティストです。

【Vaughan Oliver/ヴォーン・オリバー】Doolittle/Pixies

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Vaughan Oliver(ヴォーン・オリバー)制作「Doolittle」。

前回、前々回と「鹿」「キツネ」ときて今度は「猿」です(笑)。
ニルヴァーナやレディオヘッド、日本ではナンバーガールなどにも影響を与えたPixies。
彼らの所属していた4ADレーベルの専属デザイナーがこの人。
ナイジェル・グリアーソンという写真家と組み4ADのカラーを打ち出していました。

退廃的な音に耽美的なビジュアル。
中面もカニやスプーン、ハイヒールなどの抽象的な写真がページごとに載っており、アルバムを通してひとつのストーリーを連想させてくれます。
個人的にタイポグラフィの感じとかは80年代っぽいなぁと思うのですが、今見てもカッコいいCDジャケットだと思います。
Pixiesのほかにも「Lush」や「Cocteau Twins」なども手がけており、人目で彼のデザインだと分かります。

Vaughan Oliver(ヴォーン・オリバー)はその後クリス・ビッグと組んで「V23」というコンビで活躍しているようです。

【Frauke Stegmann/フラウク・ステグマン】Amplified Trio/Han Bennink

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Frauke Stegmann(フラウク・ステグマン)制作Amplified Trio。

シンプルでいて強烈。2~3年前久々にジャケ買いしたCDです。

「TREADER」というイギリスのインプロ、フリー・ジャズ・レーベルから発売された作品です。
写真では若干分かりづらいかもしれませんが、動物(キツネ)の部分には分厚く箔押しされております。
キツネの毛、一本一本も掘り込まれ、まるでその部分だけ金属であるかのような印象です。

このレーベルは一貫してこのデザインに統一されており、キツネのほかにはトカゲや鳥、ハリネズミやクラゲなどもおります。
うーん、全部集めたくなる(笑)。

このFrauke Stegmann(フラウク・ステグマン)。アフリカはナミビアというところで生まれたアーティストのようで、変わった素材・印画方法などを作風としているようです。

こういったアーティストを起用して、CDジャケットも含めた総合芸術に高めてしまうレーベルにも感服です。

【hayden/ヘイデン】Skyscraper National Park/hayden

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Hayden(ヘイデン)制作「Skyscraper National Park」。

前回に引き続きHayden(ヘイデン)です。

このアーティストは基本的に紙ジャケが多く、このSkyscraper National Park」というアルバムもまさにそれです。

表紙はクラフト紙で、そこに鹿のイラストが配置されるという非常にシンプルなつくりです。

裏面を見ると鉛筆で書かれた手書きの曲タイトルやクレジットなどが書いてあるのですが、ホントにこの紙に直接鉛筆で書かれたような仕上がりなのです。
おそらく特色で印刷されているのですが、ルーペで何度もジックリ観察してしまうほど精巧な仕上がりです。
まさか直接一枚一枚手書きで書いているのかも・・・なんて、ありえない想像をしてしまいました(笑)。
中面も同じく鉛筆で書いたクレジットと木のイラストなのですが、
限られた色数、限られた表現の中で印象に残るイメージを打ち出した秀逸なCDジャケットだと思います。

【hayden/ヘイデン】Everything I Long For/hayden

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おそらく知っている人はかなり少ないであろうアーティストです。
ちょうど90年代にBECKが登場してきた時あたりに、期待の新人という感じで現れたカナダのアーティストです。

もう廃刊になったMusic Lifeという雑誌に彼の記事が載っており、何気なしに購入したこの「Everything I Long For」というアルバムが十数年経った今もフェイバリットアルバムになっています。

おそらく当時にかなりの枚数生産したであろうこのCDジャケットは、CDショップのワゴンセールで見かける確立も高く、楽曲のクオリティの高さに反して100円~300円という価格で売られているのを見ると辛いところです。

このCDジャケット、クレジットではHayden自身とheliosとう人が書かれていますが、後のアルバムでも頻繁にHayden自身がデザインに関わっていることから、今回はあえてデザイナー名をHaydenと表記しました。heliosさんスイマセン。

このCDジャケットの幸せそうな親子?の写真。
何気ない日常を切り取ったような風景。
しかし、その笑顔。その佇まいに何か違和感を覚えます。
それがこのHaydenというアーティストの作る音楽性に見事にマッチして、このCDジャケットを見るとHaydenの楽曲が聞こえてくるのです。

Robert Fisher(ロバート・フィッシャー)にも通じる90年代っぽいデザイン・写真のオルタナティブ感を放つこのアルバムを、ワゴンセールで見かけたら是非買ってみてください。

【Liz Hale/リズ・ヘール】MIA The Complete Anthology/The Germs

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Liz Hale(リズ・ヘール)制作「MIA: The Complete Anthology」。

シンプル!
非常にシンプルなんですが、強烈なインパクトがあります。
黒字に青い○。

The Germsの音楽性を考えるといわゆるパンク・ハードコアにありがちなストリートで汚れた感じのデザインが当てはまりそうですが、「こう来たか~」って感じです。前述のSonic Youthと同様、Tシャツが欲しいと思えるデザインです。

このLiz Hale(リズ・ヘール)という女性、他にもL7なども手がけたり普通のエディトリアルの仕事をしたりと、マルチなお方のようです。

【Martin Kvamme/マーティン・クバンメ】MIT GAS/TOMAHAWK

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Martin Kvamme(マーティン・クバンメ)制作「MIT GAS」。

アメリカの奇才、Mike Patton(マイク・パットン)率いるTOMAHAWK(トマホーク)のこのアルバム。
パッと見はありがちなジャケかなと思いつつも、開けてビックリ!!観音開きの全面に金の箔押しで模様が!!
中世の様でもあり、宇宙っぽさも感じ、そしてなにより重厚感があります。

なんとも厳かで、CDジャケット自体がアート作品として成立しているかのような印象です。このアルバムは実際に手にしてもらうと、その迫力に圧倒されると思います。

このMartin Kvamme(マーティン・クバンメ)というデザイナー。
ノルウェー出身で、主にMike Patton(マイク・パットン)自身のレーベルIpecac Reecording(イペキャク レコーディング)の作品が多いようです。
Mike Patton(マイク・パットン)の作品に関しては他にもFANTOMAS(ファントマズ)なども手がけており、彼の作品を見て思うのは2000年代のジャケットの新しい表現方法です。アナログレコードでは出来なかったこと、90年代ではやられていなかった方法でCDジャケットの世界を探求しているのかなと思いました。ミュージシャンの持つ変態性とデザイなーの持つ変態性が凄まじい化学反応を起こしたジャケットではないでしょうか。

 

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【Nigel Waymouth/ニーゲル・ウェイマウス】Bryter Layter/NICK DRAKE

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Nigel Waymouth(ニーゲル・ウェイマウス)制作「Bryter Layter」。

一見楽しげで軽やかな印象さえ覚える色合いのジャケットだが、中心に配置された写真には陰気で繊細そうな長身の男が写っています。この写真の男こそNICK DRAKE(ニック・ドレイク)であり、彼が歩んだ生き方を象徴するかのようなジャケット。
影に覆われて、その視線はどこに向けられているのか・・・。

Nigel Waymouthといえば先述したRick Griffinと同じ時代に生きた一人。サイケなポスターを多く手がける人物です。

シンプルに構成されたこのジャケットには妙に惹かれるものがあります。
日本のロックバンドBORISがギターをベースに持ち替えて、このジャケのオマージュをしていますね。